ハンドパワー
「ただいま…」
「最っ初からそう言えばいいのに」
少々呆れながら、合田さんは言った。
「ゴメン」
そんな気持ちに答えるかのように咄嗟にこんな言葉が出た。
「何かあった? 温秘が謝ることって、滅多にないのに」
「また傷つけた」
私は悔やむように言った。
「大丈夫って…
向こうが何かしたんだろう?」
私を抱き締め慰めてくれる。
このときの合田さん、私は好き。
「でも…」
「大丈夫だって」
まぁ、そりゃそうだよね。