ハンドパワー

「じゃあ今から俺の言うこと聞いて?」

「何?」


涙を堪えながら、この人の言うこを聞くしか、考えることができなかった。

何も言わずにずんずん歩いていくのを、着いていくしかない自分。

怖くて何もできない。


「力使うんじゃねぇよ
普段通りにしとけよ」

そう言って連れてこられた、誰かの家の前。

「ここ、俺んち」


なぜかこの人の家に連れてこられた私。

「何すんの?」

「いいから、とりあえず入って。
俺の空気を読めよ」

どういうこと?
怖いよ…


「入ってよ」
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