ハンドパワー

限界になった時、私は後ろを振り返り北郷勇人の姿を確認した。

姿がないことがわかると、そこら辺にある壁にもたれて座り込んだ。


「たったそれだけしか走れないのかよ。
つまんねぇなぁ」

「はぁぁ.....はぁぁ....」


立ち上がろうとしたけど、足が痛くてもたれることしかできなかった。

「なに逃げてんだよ。
そんなにばらしてほしいのか?」

「ばらさないで…」

「だったら俺の言うことを聞けよ」


助けて……

「返事は?」

「…わかったよ」
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