ハンドパワー
｢私の弱味を握られて…
その人が私を傷つけるの…｣
下を向いて必死に涙を堪えながら、簡単に話した。
｢そんなやつがいるんだ…
許せないよ。
でもその前に…｣
涙を必死に我慢してる私を、優しく抱き締めてくれた。
｢泣きなよ。
心の底から泣いて、スッキリしなよ｣
[泣けよ！ どんどん泣けよ！
俺の気持ちがわかるまでどんどん泣けよ]
咄嗟にあいつの言葉を思い出してしまった。
と同時に、恐怖に包まれた。
｢大丈夫？｣
私は気を落ち着けるために、目をつぶった。
