ハンドパワー
そしたら、その時…
「久しぶりだな、負加さん」
すぐさま目を開けて、ヤツの姿を見た。
相変わらず不気味な笑みを浮かべていた。
そして私はすぐ新くんと離れた。
今の状況を見られるなんて…
弱味を出してる、この瞬間を…
しかもあの北郷勇人に…
「あ、北郷くん…」
新くんはちょっと弱々しく、名前を呼んだ。
「どうも、倉本くん。
負加さんに何かあった?」
このやり取りなんだかムカつく。
「いや…ちょっと…」
「行こう、新!」
私は新くんが言葉を濁してるときに、北郷勇人から逃げることにした。