ハンドパワー
「あの時...」
「待ってください!」
渡辺貴雄が話始めたとき、私は止めに入った。
「どうした?」
「心の準備ができてないんで…」
「ふっ!
おまえに心の準備なんかいらねぇだろう。
それに今から話す話は、この人の作り話でもない、あんたがしでかした話なんだ!」
何で心の準備をするくらい、許してくれないの?
本当、北郷勇人はひどい。
でもこれで私は過去を思い出すことができるんだ。
どうして親が死んだのかを、知ることができるんだ。