ハンドパワー
「でも確かにそれはありうるな。
じゃああの物音も?」
当日に察していた充くんは、あまりビビっていないよう。
「多分脅かしてきた人だよ」
私と充くんは実際に不思議なことがわかっていたから、そこまで驚かないのだ。
「え… ちょっとやめてよ、温秘
怖いじゃん」
蘭は本気で私を止めようとしている。
私たちがどんよりとした空気をかもし出していたら教室にいた子も、こちらに耳を傾けてきた。
「俺も、怖くなってきた
寒気が…」
弱々しくなった新君が、弱音を吐く。
「それで私、あの時訊いたんだ。
みんなが休憩している頃に」