ハンドパワー

外からあの子が呼ぶ声がした。

窓から覗いてみると、誰かが誘拐しようとしていた。


「くっそ!」

十分に着替えてないまま、あの子を追いかけた。

「どうしたんだよ、そんなに慌てて」

合田さんの質問に答えず、私はとにかく走った。


「待ってよ!」

「おねえちゃ〜ん」

さらにこの子は泣いた。
< 77 / 576 >

この作品をシェア

pagetop