太陽と月



「明日から休館だからこんなに多いんですかね?」


彼女はまるで俺の心の声が聞こえていたかのように言う。


そういえばそうか。


だから姉ちゃんも俺に“赤毛のアン”を託したのか。


妙に納得する俺。


「これで入りますかね?」


約5分間の俺と彼女の奮闘の結果、なんとか2台入るスペースが出来た。


「入ると思いますよ?」


俺は彼女の問いに答えてスタンドを外す。


彼女も同じようにするのを見て、努力の結晶のスペースに自転車を入れる。


「入りましたね!」


彼女は笑って俺を少し見上げる。


彼女の身長は多分平均より低い。


俺も平均より低い。


それでも俺と彼女の身長さは15センチくらいある。



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