太陽と月



「月花…大丈夫?」


ずっと黙っている私を心配してそっと肩に触れる陽。


陽は優しいから。


私の気持ちを伝えたら困ったように笑うんだろうな。


「あ…ごめんね?大丈夫」


やっと顔を上げた私を見て安心している陽。


お兄ちゃんとはまた違う優しさ。


「あ…英語の質問されてたっけ?」


陽の言葉で現実に戻る。


そう、私たちは受験生。


恋なんてしている場合じゃないんだ。



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