太陽と月
陽side
『そうだ…ケータイ持ってる?』
『うん…持ってるよ?』
『アドレス教えてくんない?』
『うん、良いよ。今日持ってないから…紙に書くね』
図書館を出る間際に交わした会話。
そして月花のアドレスを書いた紙が目の前にある。
家に帰ってからずっと眺めている。
メールするべきか、しないべきか。
別に付き合ってる訳じゃないし。
この気持ちは今伝えるべきだとは思わない。
月花はきっと困るだろうから。
男に慣れていない月花はきっと、断り方も知らない。