あなたの心にいる人は… (完)
「叩かれて当然だから。止めないで。」


お姉ちゃんの言葉にすっと手を離す廉が


遠く感じた


「なんで死んだふりしたのよ!なんで今まで隠れてたの?なんで?!お父さんはお姉ちゃんの名前を呼びながら死んだのよ?!どんなおもいで、、、どんな思いで死んでいったと思うのよ!!」


泣き叫ぶように言った言葉にお姉ちゃんの瞳から涙が溢れた


「ごめんね。葵。」



「私に謝って欲しい訳じゃない!謝らなきゃならない人は死んだんだよもう!」


「後悔してる!」


「え?」


「死んだように姿を消したこと後悔してる。でも、そうするしかなかったの。そうしないと私が私でいられなかったの。」


「どういうことだ?」


廉の声は優しかった
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