あたしの甘ーい幼なじみ
「期待してなかったら、誰もお前のために台本なんて書かない。衣装だって用意しないよ」
「終聖………」
「ほら。わかったんなら、やるぞ」
「う、うん」
「台本は?もうなくても平気か?」
「うん。たくさん練習したから」
あんまり得意じゃない
どちらかというと本当に人前が苦手で、嫌で嫌で仕方なかったのに
そんなあたしに付き合ってくれたのは、終聖。
あなたじゃない
「そ。じゃあ頭からな」
「うん」
そのことを言わない終聖の優しさを感じながら、あたしは息を吐いた
大丈夫、大丈夫
あたしには終聖がついてるんだから
「終聖。」
「ん?」
「がんばろうね」
「当たり前。みんなのためにも、絶対成功させるぞ」
うん、と差し出された手を握る
今のあたし達には、もう壁はない