水面に映る影は永遠へ続く


お願い、お美代さん。



それは私じゃないって否定して!



でも、私のそんな願いは虚しく――。



「そうですよ、土方さん」



笑顔でそう答えたお美代さん。



私の指から湯飲みが滑り落ちた。



水が零れる音に二人の視線が私に集まる。



「ゴメン、手が滑って…。今、ふきんを――」



バツが悪くなった私はその場から走り去った。





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