水面に映る影は永遠へ続く


「おいッ!」



ふと沖田さんではない人物の声がした。



振り返らなくても分かる。



この声は私の愛しい彼のモノ。



「土方さん…」



沖田さんは今までに聞いたことがないくらい低い声で彼を呼ぶ。



「貴方、妃絽ちゃんに――」



「土方さん、駄目ですよ!走っちゃ!」



沖田さんの言葉を遮るようにお美代さんの甲高い声が重なった。





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