水面に映る影は永遠へ続く


触れた途端、妃絽の身体がびくりと揺れる。



「この痕は――」



「斎藤に口付けされた痕か?」



俺が遮るようにそう言うと妃絽は驚いたように目を見開いた。



すると、何がおかしかったのか笑い始めた。



「何がおかしいんだよ?」



「土方さん、勘違いし過ぎ…。これ、蚊に刺された痕だよ」



そう言って、妃絽は赤い痕を掻いた。






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