《俺様的》彼女の手なずけ方
「や……悪い、全然気が付かなかった」



やっぱり…。



「ウソ…気づいてて、知らないフリしていてくれたんじゃないの!?」



「まさか。気づいてたら、もっと早く断ったのにな」



「そんな…」



「ゴメンな、清香のことはそういう目で見たことがない」



「あたしは……ナルしか愛せないの」



清香さんがナルの胸に飛びこんでいく。



その姿を見て、あたしの胸がズキッと痛んだ。







だって、ナルが清香さんの背中を優しく撫でている。



そしてその表情は、なんとも言えず切ない。



こんな告白をされたら、きっとナルだって揺らぐはず。



あたしは無意識のうちに、京子さんの腕をギュッと掴んでしまっていた。


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