《俺様的》彼女の手なずけ方
「わかった。じゃあね、また明日」



「なんだよ、届け物って」



「ううん、いいの。聞いてみただけ。バイバイ」



電話を切って、息を大きく吐く。



やっぱり頼んだのは、ナルじゃないみたい。



玄関に戻ると、おばちゃんがお金を支払った後だった。



「えぇっ、払ったの!?」



「時間がないって言うから……どうしましょ、このピザ。食べきれないわね」



クスッと笑っているおばちゃんを見て、ドッと疲れた。



「お金払っちゃダメだよ~!ウチが頼んだんじゃないのに」



「きっと主人が…」



「違うの。お店の人に聞いたら、あたしの友達が頼んだって言うんだけど、その子は知らないって言ってる」



「そうなの?だけどもう…いいわ。おばちゃん、ピザ好きなのよ。色々食べれていいわね」



呑気!?



おばちゃんに、ちょっと救われたような不思議な感覚。



あたしのせいでこんなことになってるのに、



罪悪感でいっぱいのあたしの心が、少しだけ軽くなった。


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