《俺様的》彼女の手なずけ方
通りを歩いている人たちが、こっちを見てクスクスと笑っている。



あぁ……消えたい。



もう抵抗するのもやめ、ナルに車に乗せられた。



「今日は大人しいな」



「公衆の面前でこういうことはやめてよね!?みんなが見てるから恥ずかしかったの!!」



「へぇ、なら誰もいないところならいい?」



「余計困る」



「矛盾してるな」



「こういうこと、する方が悪いの!お姫様抱っこなんて……」



「お前は俺のプリンセスだろ?お姫様扱いなんて、朝飯前」



「こういうときばっかり、プリンセスとか言わないでよね」



「そんなに言うなら、いつもしようか?かわいがってやるよ」



ナルがあたしにすり寄ってくる。



「きっ……きゃあっ!!離れてよっ!!」



「ブワッハハッ、ほらこれでも食えよ」



ナルがあたしに手渡してきたのは、有名なお店のクッキー。



かわいくラッピングされていて……って、これって昨日虫が入っていたのと同じお店だ。


< 458 / 711 >

この作品をシェア

pagetop