殺し屋天使
彼女はテンションをMAXに跳ねあげた。
「自分の名前を与えるなんてどんだけアタシのコト愛しちゃってんすかー!やっべーフルロマンチック!おのれっ愛の魔導師か!?」
「や、だから忘れないためには……て聞いてないし。」
「しかし、なれば尚のコト、ここはファーストネームな展開じゃねっすか?」
「………名前デス。」
「ハイ?」
「氏は鈴本だからねぇ。」
「………。」
彼はどこか遠くを眺めて呟いた。
「両親は木についた一が余程気に入らなかったとみえる……」
本名:鈴本鈴木
「ドンマイ。」
「……かもね。」
カップに紅茶のお変わりを注ぎながら、彼女が首を傾げる。
「しかし、お互いスズキじゃ少々紛らわしくありやせんかね。」
「それはダイジョーブ」
なんじゃない?
彼は並々と注がれた紅茶を啜りながらお座成りに応えた。