書架の森で

 こんなロマンチックな物、読む男子がいるなんて。しかもそれが西川君だなんて。

 ぽかんとしていると、彼は唐突に言った。

「付きあってよ」

頷きかけた自分に困惑しつつ、あたしは首を横に振った。

「何それ、急だよ」
「お前となら、付き合ってもいい気がする」

あたしはムッとしてキッパリ言った。

「あたし、
  彼氏いるよ」

彼はムッと唇を閉じて、そっかと背をむけた。

 胸がじくじくと痛んだ。彼氏がいたのに変だった。あの時は気づかなかったけど、きっと好きになってしまっていたのだ。
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