アネモネ

自然と緩む頬はしょうがない

「ふふ、啓介ありがと」

「…ああ」

ありがとうと、感謝の気持ちを素直に伝えればぶっきらぼうな、それでいて優しい返事が返ってきた


ああ、やっぱり好きだな

なんだかんだ文句を言いつつも啓介はあたしのことを見捨てたりなんかしない、いつだってその大きすぎる優しさであたしを救ってくれる

言わば啓介はあたしのヒーローなのだ


「ねえ啓介、今日の夕飯は何かな?」

「知らねーけど、カレーとかじゃね?みさも食いに来るだろ?」

「んー、行ってもいいのかなー?」

啓介の問いに曖昧に答える


「は?何今さらなこと言ってんだよ、逆にお前が来ないと家のばばあが

みさきちゃんはどーしたの!もうっ、啓介はやく呼んできなさい!

とか言ってうぜぇんだよ」

「ふふ、そっか、じゃあ行こうかな」

似てないものまねをしながらめんどくさそうに啓介が言った言葉はあたしに気を使わせないためのものだって分かってるよ

いつだって啓介の優しさは伝わりにくいけどあたしはそんな不器用な啓介が大好きだ










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