あの夏の永遠~二度と会えない君へ~

再びの裏切り

そして不受理の効力が切れる半年が来た。

婚姻届けと必要なユウの養子縁組届けもあわせてヒロの本籍地に郵送したら、なんと戻ってきた。

【新しく不受理届けが出されたので受けとれません】

江梨は市役所にそんなはずはないと電話をした。

職員は不受理届けは本人しか提出できないので、親が勝手に出せないと言う。

すぐにヒロの所へ向かった。



『ヒロちゃん……。また裏切ったのね……。
どうしてなの?あんなに約束したのに……。
もうヒロちゃんの事信じられない。別れる!』

「何を言うの?俺は江梨ちゃんと別れない。
どうしても別れる位なら……。」

ヒロは江梨を押さえつけて首に手を回した。

『うっ……!』

江梨の目から涙が溢れた。

『ずるいよ。私をそんなに離したくないなら、今だけ親を捨ててよ!
親はね、どんなに喧嘩しても、先で必ず元に戻れるから大丈夫なのよ!
でも、私の手は一度離したら、一生それきりになるのよ!』

「銀行は給料が多いと思われるけど、積立てさせられて、手取りなんてちょっぴりしかないんだよ?君も働いてくれるの?」

『働くわ』
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