あの夏の永遠~二度と会えない君へ~

待ち詫びた結婚

二人はヒロの赴任先の市役所に婚姻届けを出した。

ところが江梨が自分のうちに帰っていると、また婚姻届けが郵送で戻ってきた。

ヒロの実家の役所は小さいから親の耳に入り、親がヒロを連れに行き急いで婚姻無効届けを出させたと言うのだ。

そして改めて婚姻届け不受理届けを出させたと、役所が言った。



『どうして……どうして……
結婚しない、別れるのも嫌だなんて……私もう耐えられない!』

「親に逆らえないんだ」

『酷い!騙すなんて最低よ!』

「ごめん……でも親も裏切れないし、君も愛しているんだ」

『酷い!ずっと頑張ってきたのに!ずっと信じて来たのに!』

「大好きだよ。愛してるよ。泣かないで……」

『その気持ちが本当なら、今すぐ婚姻届けの不受理届けの取り下げと、婚姻届けと、ユウの養子縁組と、離婚届けの不受理届けを一緒にヒロちゃんの本籍地の役場に出しに行って!』

「わかった……」



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