【完】素直になれよ。






「...話すから...一旦離して。」



思ってもいないことを、また私は言ってしまう。



「......やだ。」


「...話しなさいよっ」


「じゃあ...お前が引き離せばいいんじゃねーの?」



織川の表情は見えないはずなのに、
ニヤリと笑う織川が想像できてしまう。


またこいつはぁぁ......っ。




「離れんの、嫌なんだ?」


「......っ」



絶対...面白がってる......。

......悔しいし、ムカつくっ!



「悪い悪い...いじめすぎた。」



織川はそういうと、
ゆっくりと私の体を離した。



離すなら私が言った時に離しなさいよ...。




するとまた

頭の上にポンポンと手が置かれる。



熱い...。

触れられたところから
一気に身体中を熱が駆け巡った。




< 168 / 399 >

この作品をシェア

pagetop