【完】素直になれよ。
人の気持ちを弄んで…。
「サエって、すぐ感情で動いちゃうタイプだから。」
もしかしてそれを知ってて、利用したの?
確かにサエさんは…、さっきも勢い余って私の頬を叩いていた。
きっと、涼太くん…っていう人のことが、本当に好きだったから…、許せなかったんだ。
私だけじゃない。
全然関係ない子まで巻き込んだ。
「ほんとに…最低だよ李奈。」
キッと彼女の目を睨みつけた。
「…しょうがないじゃん。全部あんたが悪いんだから。」
狂ってる。
自分の思い通りにいかないからって人を傷付けるなんて。
あれ…ちょっと待って……。
いまごろ私はひとつの疑問にたどり着いた。
「李奈。なんで私がまた東堂に迫られてるって、知ってたの?」
私が、東堂渉に迫られてたのはたしか…。
そうだ…、織川に私、追いかけられてて、教室に逃げ込んだとき。
じゃあもしかして
「偶然だよ。忘れ物を取りにきたとき、偶然聞こえたの。あんたと東堂くんの声が。」