【完】素直になれよ。
「ストーーップ!!」
二人の間に割り込んで声を張り上げた。
門から出て行く生徒の視線が痛い。
「紗希?」
大声を出した私に、衿華も織川くんもビックリした様子。
いやいや、心底驚いてるのは私の方だから!
「あの…織川くん。ほんとに衿華と付き合ってるんだよね…?」
「なっ…なに聞いてんの紗希!」
「いーじゃんいーじゃんっ」
顔を真っ赤にして私を睨む衿華。
わー…こんな顔、はじめてみたかも。
「どーだろーな」
「「え?」」
衿華も私も、思わずすっとんきょーな声を出して織川くんを見つめた。
「どーだろーって…本気で言ってんの?」
衿華は不安そうな表情で織川くんに訪ねた。
「だって俺…お前に直で言われてねーし。」