【完】麗しの姫君


「…寝れ、なかった……」


ゴールデンタイムに眠らないと、お肌に悪いのに。


「うー、まだ、6時だ…」


いつもなら、ぎりぎりまでグッスリなのに。


着替えを済ませて、ふにゃふにゃと階段を降りて行く。


カチャ


リビングのドアを開けて中へと入れば、そこには大好きなパパがいるんだけど…、今はパパにきゅんとしている余裕も無い。


「?…姫ちゃん?珍しいね、眠れなかった?」


「…うん….おはよう、パパ…」


「……ねぇ、今日、休む?」


「……ううん。休まない」


一人でいると、余計に考えちゃう。


「……そう?つらくなったら、連絡するんだよ?」


「うん……」


「姫ちゃん?」


「……はい?」


「なにかあった?」


「………わかんない…」


これ、なにかあったって言うのかな。


私だけがぐるぐる悩んで考えてるだけなんだけどな。


「…そっか。…いつでも連絡するんだよ?」


「うん…」


「朝ご飯、いつものでいい?」


「…朝ご飯…今日は、いいや」


「………本当に?」


「…うん」


「そう…本当に大丈夫?」


「うん。大丈夫…」

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