【完】麗しの姫君
結局今日もパパに送ってもらって、学校へ到着。
ごめんね、パパ、心配かけちゃった。
「はぁ…」
階段登るの今日はつらいや。
「ため息ついて、どうしたの?」
「!」
「おはよう、姫」
「香坂、先輩…」
後ろからはダメだよ。
「…なんか、顔色悪くない?」
「や、大丈夫です…」
「…そ?無理はしないこと」
「はい…」
なんで、この人は会って間もない私に優しいんだろう。
皆にそうなのかな。
きっとそう、モテるんだもん。
絶対にそう。
だから、期待なんてしちゃダメ。
きっと、私の理想通りになんて行かないし、傷つくのも嫌。
「……姫?どうかした?…やっぱ体調悪い?」
「あ、いえ、すみません…。大丈夫です」
「………昼、食堂においで?」
「………へ?」
今、なんと?
「昼、一緒しよ?」
「…今の流れから、なんで?」
「…いやぁ、姫楽しいし。…体調も心配だし?」
「はぁ……」
なにそれ。
「じゃ、また後でね」
「え、あ、行っちゃった…」
私まだ行くって返事してないしー。
「…マイペース過ぎる……」