【完】麗しの姫君


パパ……。


やっぱり、私の王子様はパパだわ。


「パパ…」


「あーあ、パパスイッチ入っちゃったよ、くりりん」


「は、パパスイッチ、ですか?」


「そ。くりりんはあんまり見たことないかもしれないけど、姫はパパLoveっ子だからねー」


「………」


「姫、戻って来なさい。紅茶が冷めるわよ」


「こらー、姫ー、………あ!眼鏡先輩!」


「!!へ⁉」


「あ、戻ったー。ふふー眼鏡先輩はいませんよー」


「…ウソ?………こんの、恵斗…」


「…恵斗、あんたさすがにそれはだめよ」


「う、ごめんなさい…姫、怒らないでー」


「本当に来たと思ったんだからね」


「うん、ごめん」


「しかも、眼鏡先輩って大きな声で…もしかして聞こえてたらどうすんのー」


「はいー、ですよね…」


「……まぁ、聞かれてたわけじゃないからいいけどさ。…次は嫌だからね」


「うん。ごめんね?」


「もういいよー」


「はい、よく仲直り出来まし、……ぶふっ」


「「わ!」」


え、瀬菜さんどうしたの。


いきなり紅茶吹き出したよ。


「瀬菜、なにすんの!」


「瀬菜ー、汚い!姫、タオルとってー」


「なんで恵斗は持ってないのー」


「いや、ちょ、いやいやいや、そんなのんきに拭いてる場合じゃないっつの!」


なに、どんな場合よ?


あんたが紅茶吹いたんでしょー!

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