「浩介くんに、他に好きな人が出来たって言ったの。そしたらあんな風に……。みんな私のせいだわ」


ポロリと一筋落ちた雫を、彼は指で拭き取ってくれた。
それはとても疲れた顔で。
私がそんな顔をさせたかと思うと胸が痛い。


「ごめんなさい」

「いや、俺も悪い。親友の彼女に惚れるなんて、俺が浩介の立場でもムカつく」

「待ってろって言われたのに」


彼の言葉を守れなかった。

自分で浩介くんとの関係を壊すのが、正しいと思っていたのに。
私がしたことは、他人まで巻き込んで皆滅茶苦茶にしただけ。

情けなさで涙が止まらない。
止まらないこともなお情けなくなる。


「泣くなよ」

「でも」


救急車の音が近づく。もうほんの近くまで。


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