夏木くんが叫んで、今だ興奮している浩介くんは、大人の男の人二人がかりで本部席に連れて行かれる。

程なくして本部から救護班が駆けつけてきて、意識が戻らない彼女の処置を始めた。

騒然とした状況の中、私は立ち尽くして夏木くんを見つめた。


「芽衣子」


ポツリと彼が呼ぶ私の名前。
それがきっかけになったかのように、足から力が抜け、私は座り込んだ。


「夏木くん。大丈夫なの? 彼女」

「……大学で同じ専攻の奴なんだ。匡深春菜(まさみ はるな)っていう」

「怪我、大丈夫そう?」

「分からない。とにかく病院に行かないと駄目だろうな。救急車もじき来る」


確かに、遠くから徐々にサイレンの音が近づいてくる。


「……ごめんなさい」

「ん?」


私の謝罪に夏木くんは首をかしげた。


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