ドメスティック・エマージェンシー
「断ったけどね」

いたずらっ子のように笑った。
私も笑う。
有馬は、もう親の支配から抜け出せたのだ。
すっかり立派になった弟を見つめ返す。

その時、祖母の声が聞こえた。

「有馬ー!お風呂入りなさーい!」

はーい、と返事をして軽やかに立ち上がる。
私も立ち上がり、一緒に部屋を後にする。

「じゃあ俺風呂入るわー」

「うん、私おばあちゃんとこにいるね」

有馬と別れ、祖母のとこへ向かう。
明日帰るために私は祖母の家を脳裏に焼き付けるように見た。

――ゼロ。
彼の元へ戻ったら、まず言わなければならないことがある。

彼も抜け出さなければいけない、抜け出していいのだ。






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