フシダラナヒト【TABOO】
「ウソ!?」


元カレの名前をSNSで検索したら、思いがけず本人がヒットした。


絶対いないと思ったのに。



「探した私も私か……」



独り言が広い部屋に響く。





一緒に暮らしている彼氏は仕事の付き合いで今日も帰りが遅い。最近残業も多くて、5時きっかりに仕事が終わる私はちょっと寂しかった。


簡単な夕食を一人で済ませ、テレビに飽きて起動したパソコン。通販サイトやブログを一通り確認して、最後にSNSにログインした。そこで友達のサッカー観戦の記事を読んで同級生の元カレ・渉を思い出した。


サッカー部だった渉とは高3の夏から付き合って、進学で遠恋になり、連絡が減って結局そのまま自然消滅した。以来一切連絡していない。


無関心で適当で面倒臭がりで、だけどサッカーだけは真剣で。そこが好きだった。

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