フシダラナヒト【TABOO】
「僕は愛は独占欲だと思ってる」

「独占欲?」


あまりにさらりと言うので一瞬単語を間違えているのかと思った。だけど彼に限ってそれはない。


「相手の全てを手に入れたい。心も身体も、価値観さえも」


彼は机の上の私の手に自分の手を重ねた。


「だから胸の内をさらけ出すようなレッスンをお願いしたんだ」

「アラン?」

「今すぐにでも君を恋人から奪って僕だけのものにしたい。見つからないなんて言わせないくらい君を僕の愛で満たしたい。ねぇ、レイ。こんな強欲な僕を受け入れてくれる?」


突然で驚いた。だけど彼の情熱的で直球な愛情に対して不思議と戸惑いはなかった。

今までのレッスンで彼を受け入れる準備ができていたのかもしれない。



何も言えずにいると手が握られた。


「来週のレッスンはレイの部屋に行ってもいい?」


まっすぐな瞳。

きっと私はゆっくりと、確実に、彼に奪われていた。

その証拠に私は頷き、彼の提案を受け入れている。



これは情熱的な愛のレッスン。

きっとこれからも。
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