フシダラナヒト【TABOO】
「私はね、愛は『受け入れること』だと思うの」

「うん」

「違う人間だから理解できないことや許せないこともあるけど、それさえも受け入れようとするのが愛かなって」


時には相手を受け入れるために目を瞑ることだってある。それができない時は愛ではなかったと割り切るだけ。


「母性的な?」

「近くもあるけど、でも……」


その後やりとりを重ねて自分なりの考えを伝えた。

良く思われようとか抜きに素直な思いを語れるのは気持ちいい。




「私の思う愛は男女間ではなかなか見つからないの」

「そうか」

「うん。じゃあ次はアランの番よ」


彼が何を語るのか楽しみだった。たとえ私に馴染みのない哲学や宗教的な話だとしてもきっと興味深い内容に違いない。
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