フシダラナヒト【TABOO】
「誘ってないですよ。観てほしいのは小川さんだけですから。退屈できないくらい赤面させますんで」

「は?」

「俺の本能、気持ち悪いくらいにぶつけるんで覚悟しといてください。小川さんに恋人がいるのは知ってますけど、俺、本気ですから」



チラリと覗かせたのは、まるで舌を舐めずるような雄の顔。爽やかな黒木の爽やかではない笑顔を初めて見た気がした。


ライブに行けばきっと、もっと別の顔を見ることになる。それはなぜか非常にまずいことのように思えた。



「黒木、あの」

「やっぱりやめるなんて言うのはナシですからね」


再び戻った爽やかすぎる笑顔が逆に恐ろしい。



垣間見た本能。それが剥き出しになるらしい土曜日。


週末に自分がどうなってしまうのか、正直予測がつかない。
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