余命1年の姫



次の日の朝。





あたしは誰よりも早く来てた。





目の前には眠る架鈴。





顔色はよくないけど、ただ眠っているだけにしか、見えない。





「架鈴…。」






ピク





今指が動いた?





「架鈴!」





架鈴の手があたしの手に被さる。





つい、椅子を蹴ってしまった。





それでも構わずにあたしは、架鈴に抱きついた。





声は出さないものの、表情は、笑っていた。










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