君は友人。
私は六年生になった。
春もとっくに過ぎ、現在はとても蒸し暑い夏である。
夏休み間近ということで、友達も皆、旅行やらプールやら海やらの話で持ちっきりだ。
もちろん私の家はそんなことはしない。
家でまったりがうちの習性だ。
紗奈「家族旅行ねー…」
晃「紗奈んとこは行かねぇの?」
紗奈「うちは毎年だよ。晃んとこは?」
晃「夫婦旅行だとよ」
紗奈「まぢ?」
晃「まぢ」
しばしの沈黙が流れた。
晃「紗奈んとこと一緒に行くって言ってたんだけどよ、そっちも夫婦?」
紗奈「知らないなー…」
晃「まぢかぁ…んじゃあ、今日くらいに教えてくれんじゃねぇの?」
紗奈「そうかなー…?まっ、教えてくんなくてもいいけど。」
晃「そうなのか?」
紗奈「うん。」
だって、親が勝手に居なくなって泣くような年じゃないし、私はお金を置いといてくれたら十分。
晃「なぁ、もし夏休み俺らの両親が旅行行ったら、俺ん家こねぇ?」
紗奈「え?」
晃「いや、嫌ならいいんだけどよ」
紗奈「…嫌…じゃないかな。多分」
晃「多分ってなんだよ」(笑)
紗奈「なんとなくつけてみた」(笑)
晃「ま、聞いてみるのもありだと思うぜ?」
紗奈「うん。聞く予定かな」
晃「はっ、まぢか」
紗奈「まぢだ」
晃の家にお泊まり、少しそのフレーズが嬉しかった。
ただ単に、親が居なくなれば一緒に居られる。それが嬉しくて堪らなかった。