まほろば【現代編】
呆然と佇む私は、慌ててその横に追いつくと改めてその人形のような滑らかな頬に視線を向ける。

少し和らいだ視線だけこちらに向けた飛龍君は、軽く肩をすくめるとにっこりと微笑んだ。

「ハルカは何も疑問に思わないで、俺についてくればいいんだよ」

さっきまでの少し怖い感じはなくなったけど、疑問符だけは膨大な量に膨れ上がっている。

でも、今ここで何を聞いても話してくれそうにない飛龍君に、私は諦めて大人しくついていくことに決めた。
< 13 / 702 >

この作品をシェア

pagetop