まほろば【現代編】
『それとは別に真人って言葉には、もう一つ意味があるんだよ。天の神の命を受けた地上の支配者っていう意味がな。俺はそれが――気に入らない』

なるほど。何となくだけど、リュウが気に入らない理由がわかった気がする。

「で、でも。たまたま真人って名前だけできっと、そんな意味なんて真人君自身は知らないんじゃないの?」

『そうかもしれないな。だけど、用心に越したことはない。ハルカ。あまりそいつには関わるな』

久々の命令口調。

まさか、明日も会う約束しているなんて言える雰囲気じゃない。

「えーっと、なるべくそうするよ」

私が精一杯言える範囲の答えがコレだった。

『本当か?』

「う、うん」
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