まほろば【現代編】
そう問いつつも、ホムラの言っている意味がわかり、背筋に冷たい汗が流れた。

「ハルカは? ハルカは、どこに行った?」

思わずホムラに詰め寄ったが、ホムラはフルフルと頭を振るだけで答えを持ち合わせてはいないようだった。

「嘘だろ?」

再びその場に膝をついてしまう。

「でも、大丈夫だよ」

頭上から能天気な声が聞こえて、思わず睨みつけてしまう。

「何を根拠にそう言えるんだ」

「だから、ハルカには強力なお守りがあるから」

「お前な、そんなことで安心できるわけないだろう?」

「でも、ボクは大丈夫だと思うんだよね。それより、ボクたちの方こそそろそろ移動しない?」

「移動なんて出来るわけないだろう? ハルカが来るかもしれないのに」

「うーん、そうかな? たぶん、ここで待ってても変化はないと思うよ」
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