まほろば【現代編】
少女の言葉に眉を顰めると、深いため息を少年は吐いた。

「あのなー、そんなんじゃいつまで立っても……」

「わかってるよ! もう、リュウの言うこと聞いてたら命がいくつあっても足りないんだから!!」

少女が声を荒げた瞬間、まるでそれを目指すかのように鋭い風の刃が襲ってきた。

「えっ!? ウソーー!!」

ハルカはその場に頭を抱えるようにしゃがみこんだ。

バサッ! バン!!

触れれば何物をも切り裂くような風の刃は、何者かによって弾かれていた。

ハルカが恐る恐る顔を上げると、彼女を庇うように白く大きな羽が広げられている。

「あぁ、ホムラ。ありがとう」

フウーと安堵の息を漏らすとハルカはその白く美しい不思議な鳥に話しかけた。
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