まほろば【現代編】
「それでだ、その見返りというもがなかなか笑えるものでな」

さも面白そうにスサノオは私を見てクスクス笑いだした。

何だか嫌な予感。でも、好奇心には勝てない。

「なんだったの？」

スサノオはまだ笑ったまま「お主だ」と一言。

「は？」

「だから、お主が今回の見返りってことだ」

「な、何で私!?」

「まあ、正確に言えば今までオレに差し出してきた者をはるかに上回る女子を連れてくるってことだったんだがな」

「それが、私？」

スサノオは、まだその顔に微笑を湛えたまま頷いた。

「まあ、ヤツラの中では容姿よりも力を持ってる者の方が勝っているという認識があるからな」

「どういうこと？」

また、何か失礼なこと言われた気がするけど、今はそんなことはどうでもいい。

「お主は己がどれほどの能力を秘めているのかわかってないようだな」

< 489 / 702 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop