まほろば【現代編】
泉の上には相変わらず手足を力なく降ろして項垂れているツクヨミの姿。
そして、その横には空中に磔にされているような格好の紗綾が目に入る。
「紗綾!」
ふと視界が何かによって遮られる。
焦点をもう少し手前に戻すと、そこにはツチグモ一族の青年――イリネが立っていた。
「お前!」
まだ重い体を何とか持ち上げると、ホムラとアオを押しのけて前に一歩出た。
イリネは、ただ腕組みをしたままどこか不機嫌な顔をしながらこちらを睨みすえていた。
「紗綾を返せ!」
その言葉に、イリネはフンと鼻を鳴らして侮蔑の眼差しを向けてきた。
「お前、中臣の飛龍だろう?こっちに来たってことは、スサノオのおっさんの慰み者になってるお嬢さんは諦めたってことか?」
「何を――!」
「お前、あのおっさんのことなめてないか?」
そして、その横には空中に磔にされているような格好の紗綾が目に入る。
「紗綾!」
ふと視界が何かによって遮られる。
焦点をもう少し手前に戻すと、そこにはツチグモ一族の青年――イリネが立っていた。
「お前!」
まだ重い体を何とか持ち上げると、ホムラとアオを押しのけて前に一歩出た。
イリネは、ただ腕組みをしたままどこか不機嫌な顔をしながらこちらを睨みすえていた。
「紗綾を返せ!」
その言葉に、イリネはフンと鼻を鳴らして侮蔑の眼差しを向けてきた。
「お前、中臣の飛龍だろう?こっちに来たってことは、スサノオのおっさんの慰み者になってるお嬢さんは諦めたってことか?」
「何を――!」
「お前、あのおっさんのことなめてないか?」