まほろば【現代編】
だから、真人君にも隙がありすぎるって言われるのかも。

でも、きっと自分の体に特に何の変化も感じられないことと、スサノオが私が嫌がっているのを知っていて無理やり何かするとも考えられないという確信に近い思いから、あまり深く考えなかったのかもしれない。

そんなことを考えていたら、例の如く扉が開くゴゴゴゴという音で現実に引き戻される。

吸い寄せられるように入り口に視線を向けた。

「おはようございます」

そう言いながら入ってきたのは、カグヤさんだった。

昨日、お粥を持ってきてくれたようにワゴンを引きながら、にこやかな笑顔を見せている。

「お、おはようございます」

どうにか気持ちを切り替えて、挨拶を交わしながらベッドから抜け出した。

「はい、朝ごはん」

手早くワゴンの上のものをテーブルに置きながら、チラリとこちらを見て悪戯そうな笑顔を見せた。

「えーっと、これは食べても……?」
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