まほろば【現代編】
「うん、大丈夫。昨日、私が作ったお粥、おいしそうに食べてくれたんでしょ?本当は、最初にハルカさんに食事を持ってきた、ミツハって言うんだけど、彼女があなたのお世話を仰せつかってたの。でも、昨日のあなたの様子見て、スサノオ様が直々に私にお世話するようにって」

だから、もう忍び込む必要なくなっちゃったと相変わらずの悪戯な笑顔を見せている。

「そう、なんですか?まあ、それは私としてもありがたいんですけど」

「そっ、だからこれからは食べ物の心配はしなくていいからね。あぁ、それからここでは食事は朝と夕の二回だけなの。昨日は、ハルカさんお昼過ぎまで寝ていたから食事が一回になっちゃったんだけど、通常は二回。地上から食料調達するのも大変みたいでね。だから、お腹空いちゃうかもしれないけど、ゴメンね」

「いいえ!そんなことないです。食事を出していただけるだけでありがたいです。それにしても、私、昨日はそんなに寝てたんですか?」

「そうよ。よっぽど疲れてたのね。それに、ここじゃ昼も夜もわからないものね。私たちは産まれたときからここにいるからすっかり慣れちゃってたけど。そんなことより、温かいうちにどうぞ」
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