まほろば【現代編】
あれ? そういえば、リュウは最初からホムラの力を借りたいって言ってたな。

ということは、リュウにはホムラの本当の力っていうのがわかっていたことになる。

今でも私にしてみれば、ホムラはかわいい小鳥さんみたいな存在だ。

ホムラが私の元に来て以来、ずっと一緒にいるから家族のようにすら感じている。

何だか急に心配になってきた。

ホムラが傷つくところなんて見たくない。本当に大丈夫なのかな? 

そわそわと落ち着かない気持ちになって、少し場所を移動してみる。

私がいる竹やぶを抜けると、広い空き地のような場所に出る。

ホムラの姿をその空き地の真ん中に確認することができた。

どうやらここで決着をつけるみたいだけど、まだリュウの姿はない。

私は、空き地と竹やぶとのギリギリのラインに身を沈めて成り行きを見守ることにした。
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