まほろば【現代編】

「そう……。あなたは、地上に好きな人がいるのよね？真人と最後に会ったとき、そう聞いてるの」

「はい」

「……ごめんなさいね」

「えっ？」

「ここまで来ちゃったら、もう私にはどうしてあげることも出来ないの。後は、真人が言ってたように、あなたのその好きな人が助けに来てくれるしか儀式を逃れる術はないわ」

「そう、ですか……」

「ねえ、ハルカさん」

「はい？」

「あなた、スサノオ様のこと嫌い？」

「えっ？」

「スサノオ様、本当はとてもお優しい方なのよ」

「それは、何となくわかります」

「私ね、こんなにも誰かに執着するスサノオ様見るの初めてなの。それは、きっとハルカさんのこと本当に気に入ってるからだと思うのよね」

「……」