まほろば【現代編】
「いつも夜、家出るとき何て言って出てきてるんだ?」

俺の問いかけに、なぜか少し顔を赤らめてハルカが俯く。

「えーっと。実は、こっそり抜け出していたりなんてしていたり……」

俯きながら何かブツブツ言っているが、ようは無断で出てきていたってわけか。

「悪かったな」

「えっ?」

思わず顔を上げたハルカの表情は、なぜか驚いたように目が見開かれていた。

何か変なこと言ったか?

「リュ、リュウが……」

「何?」

「謝ったー!」

「……」

何を言い出すかと思えば、そんなこと。

俺も余裕がなかったからそこまで頭が回ってなかったが、曲がりなりにもハルカも女の子だ。
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